夏の午後、空に町が浮かぶという。ただの蜃気楼だろう——そう構えて、僕は、流れていた川をぜんぶ地下に埋めてしまった町へ向かった。ところが逃げ水の向こうに現れたその町を、大勢の人が、黙って川上へ歩いていた。